【現場目線で解説】ケアマネ資格の更新制が廃止!何が変わる?介護士が知っておくべきポイントをざっくり説明します

2026年4月3日、政府はケアマネジャー(介護支援専門員)の資格更新制を廃止する方針を盛り込んだ介護保険法などの改正案を閣議決定しました。(出典「厚生労働省ホームページ」)

特養で働いていると、連携するケアマネジャーさんが何年かに1度、資格の更新研修に追われている姿を見てきた方も多いと思います。私も現場で働く中で「あのケアマネさん、今月は研修で来られない」「書類対応が遅れてる」なんて場面を何度も経験してきました。そんな状況が、大きく変わるかもしれません。

「それって、直接ケアマネじゃない私たち介護士には関係ない話でしょ?」

室岡

いえいえ、そうじゃないんです。現場の介護士にとっても、じわじわと影響が出てくる話です。今回はそのあたりを、私・室岡が現場目線でざっくりわかりやすく解説していきます。

ざっくり解説:何が変わったの?
  • 対象:ケアマネジャー(介護支援専門員)全員
  • 何が変わった:5年ごとの資格更新制が廃止される
  • 研修:定期的な受講は法令上の義務として継続
  • 閣議決定:2026年4月3日
  • 施行時期:公布後1年半以内(政令で決定)

2026/4/6 情報更新しました!

目次

そもそも「ケアマネ資格の更新制」って何だったの?

まず、制度の背景から整理しましょう。

ケアマネジャー(正式には「介護支援専門員」といいます)は、介護が必要な方のケアプラン(どんな介護サービスを使うかの計画書)を作り、各サービス事業所と連絡調整をする、いわば「介護の司令塔」のような存在です。

このケアマネ資格には、これまで「更新制」というルールがありました。具体的には、

  • 資格を取ってから5年ごとに更新が必要
  • 更新するためには決められた研修を受講しなければならない
  • 研修には数万円の費用数日間の時間が必要
  • 更新しないと資格が失効(なくなってしまう)する

この更新のための研修が、ケアマネさんにとって大きな負担になっていました。

たとえば、更新研修には「専門研修課程I・II(せんもんけんしゅうかてい)」「主任介護支援専門員更新研修(しゅにんかいごしえんせんもんいん)」など複数の種類があり、研修日数は合計で最大88時間に及ぶこともありました。費用も自己負担で3万〜8万円程度かかるケースが多く、「お金も時間もかかりすぎる」という声が現場から長年上がっていたのです。

その結果、何が起きていたかというと——

  • 更新の手間が嫌でケアマネを辞めてしまう人が増えた
  • せっかく資格を持っているのに更新をやめて「潜在ケアマネ」になる人が急増した
  • ケアマネ不足がどんどん深刻になっていった

厚生労働省の調査によると、ケアマネジャーの有資格者は全国に約79万人いるのに対して、実際に現場で働いているのは約13万人程度という数字もあります。つまり、資格を持っているのに働いていない「潜在ケアマネ」が60万人以上もいるわけです。この差の大きな原因のひとつが「更新制の重さ」だと指摘されていました。

今回の制度変更で何が変わるの?ポイントを3つに絞って解説

ポイント① 資格の「更新制」が廃止される

いちばん大きな変更点は、5年ごとの資格更新が不要になるということです。

つまり、一度ケアマネの資格を取ったら、更新の手続きをしなくても資格がなくならなくなります。「更新研修を受けなかったから資格失効…」という心配がなくなるわけです。

これは、ケアマネさんにとっては相当な負担軽減になります。今まで5年ごとに「また研修の時期が来た」「費用どうしよう」「仕事を休んで行かないと…」という悩みがあったわけですから。

ポイント② でも研修受講は「義務」として残る

「じゃあ、もう研修を受けなくていいの?」と思った方、ちょっと待ってください。

今回の改正では、資格の更新制はなくなる一方で、定期的な研修の受講は法令上の義務として残ることになります。

つまり、こういうことです。

  • ❌ 更新のための研修→廃止
  • ✅ スキルアップ・知識更新のための研修→義務として継続

「更新しないと資格がなくなる」というプレッシャーはなくなるけれど、研修を受け続ける義務はある、というイメージです。

ただし、現時点では「どんな研修を」「何時間」「どんな頻度で」受けるのかという詳細は、今後の政省令(せいしょうれい=法律をもとに政府・省庁が定める細かいルール)で決められる予定です。

室岡

詳細がわかり次第、またこのブログでお伝えします。


2026/4/6 情報更新しました!

ポイント③ 今国会での早期成立を目指している

今回の改正案は、2026年4月3日に閣議決定(かくぎけってい=内閣全体で正式に決定すること)されました。政府は今の国会(2026年通常国会)での早期成立を目指しています。

国会で可決・成立すれば、施行(実際に法律が動き出すこと)は段階的に進む見込みです。ただし、具体的な施行日はまだ確定していないため、今後の情報を引き続きチェックしておく必要があります。

現場の介護士への具体的な影響は?数字で考えてみた

「ケアマネの話でしょ、私は関係ないかな」と思っている介護士さん、少し立ち止まって考えてみてください。私たち現場の介護士とケアマネさんは、密接につながって仕事をしています。ケアマネさんの状況が変わると、現場にも必ず影響が出てきます。

影響① ケアマネが「戻ってくる」かもしれない

先ほど触れたように、更新制の重さを理由にケアマネを辞めた「潜在ケアマネ」は全国で60万人以上と言われています。

更新制が廃止されることで、「もう一度ケアマネとして働いてみようかな」と思う人が増える可能性があります。ケアマネの数が増えれば、1人のケアマネが担当する件数(利用者さんの数)が減り、ケアプランの質や連絡のスピードが改善されることも期待できます。

現在、ケアマネ1人あたりが担当できる利用者数の上限は原則39件(2024年度改定後の基準)とされていますが、実際にはギリギリまで担当している事業所も少なくありません。ケアマネが増えれば、この負担も分散されていきます。

影響② ケアプランの対応がスムーズになるかも

更新研修の時期になると、ケアマネさんが研修で不在になる日が増え、サービス担当者会議(さーびすたんとうしゃかいぎ=ケアプランについて関係者が集まって話し合う会議)の日程調整が難しくなることがありました。

更新制がなくなることで、こういった「研修による業務の中断」が減れば、現場介護士としても連携が取りやすくなる可能性があります。

影響③ 将来的に「介護士がケアマネを目指しやすく」なるかも

これは少し先の話になりますが、「更新のコストや手間が重くて、ケアマネ資格を取る気になれない」と思っていた介護士さんにとっても、資格取得を考えやすくなるかもしれません。

ケアマネ試験(介護支援専門員実務研修受講試験)の合格率は例年10〜20%前後と低く、そもそも試験自体が難しいのは変わりません。ただ、「取ってもどうせ更新でまたお金と時間がかかる」というハードルが下がるとしたら、チャレンジする人が増える可能性はあります。

よくある疑問・注意点

Q. 今すでにケアマネとして働いている人の資格はどうなるの?

現在すでにケアマネとして働いている方や、有効期限内の資格を持っている方については、今後の経過措置(けいかそち=制度が変わる際に急激な変化が起きないよう設けられる移行期間のルール)が設けられる見込みです。

「突然、今持っている資格が無効になる」ということはありませんので、焦る必要はありません。ただし、具体的な取り扱いは今後の政省令で明確になりますので、引き続き情報収集が大切です。

Q. 研修が義務として残るなら、結局負担は変わらないんじゃないの?

「更新」という形がなくなっても研修は続くわけですから、「全部ラクになる」とは言い切れません。

ただ、今の更新研修の最大の問題点だった「更新しないと資格が消える」というプレッシャーと、それに伴う一度にまとまった研修時間・費用の負担がなくなる点は、大きな改善です。今後の研修のあり方が、より柔軟で受けやすい形になることを期待したいところです。

Q. いつから変わるの?

2026年4月3日に閣議決定され、現在の国会(2026年通常国会)での成立を目指しているところです。

国会で可決されたとしても、施行には準備期間が必要なため、実際に制度が変わるのは早くても2027年以降になると予想されます。具体的な日程は法律成立後に明確になります。

Q. 介護士の資格更新制はどうなるの?

今回の改正はケアマネジャーの資格に関するものです。介護福祉士などの介護士資格の更新制については、今回の改正には含まれていません。

ただし、介護福祉士も2027年度以降に更新制の導入が議論されている経緯があり、こちらも動向を注視していく必要があります。私たち介護士自身に関わる話ですので、引き続きウォッチしていきましょう。

まとめ:現場を変える一歩かもしれない

今回の改正ポイントをまとめます。

項目変更前(現行)変更後(改正案)
資格の有効期限5年ごとに更新が必要更新制を廃止(期限なし)
研修の受講更新のための研修が必要定期研修が法令上の義務として残る
資格失効のリスク更新しないと資格失効資格失効のリスクなし
費用・時間の負担数万円+最大88時間程度の研修今後の政省令で詳細を決定

ケアマネジャーの負担を減らし、潜在ケアマネを現場に呼び戻し、介護業界全体の人材不足を少しでも解消しようという狙いがある今回の制度改正。直接ケアマネでない私たち介護士にとっても、「連携相手のケアマネが働きやすくなる=自分たちの現場も動きやすくなる」という形でじわじわと影響が出てくる話です。

10年間、現場でいろんなケアマネさんと一緒に仕事をしてきた私・室岡としては、この改正は「小さいけれど、確かな一歩」だと感じています。介護業界全体がもっと働きやすくなるために、こういう制度改正の動きをひとつひとつ追いかけていくことが大事だと思っています。

法律の細かい話って、とっつきにくいですよね。でも、こういう情報を「なんとなく知ってる」のと「全然知らない」では、現場での会話や判断が変わってきます。「ケアマネさん、更新研修なくなるって聞きましたよ」って話しかけられるだけでも、コミュニケーションが一歩深まります。

室岡

このブログでは引き続き、現場の介護士が「知っておくべき制度の話」をわかりやすく届けていきます。

知って、トクしよう。


📎 出典・参考URL

※本記事は2026年4月3日時点の情報をもとに作成しています。制度の詳細は今後変更される可能性があります。最新情報は厚生労働省や各都道府県の公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

「結局、給料いくら上がるの?」に答える介護士向け情報ブログ。厚労省の発表や制度改定を現場10年目がざっくり翻訳。知るだけでトクする介護情報を毎日更新中。

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