【2026年度改定】障害福祉の処遇改善加算が最大45.6%に!現場の介護士が知っておくべきこと

厚生労働省とこども家庭庁は3月27日、新年度の障害福祉サービス報酬の臨時改定に向けて「処遇改善加算」の新たな運用ルールを定める通知を発出しました。 (参考:厚生労働省ホームページ

「処遇改善加算って、結局いくら上がるの?」「障害福祉と介護保険って、何が違うの?」――そんなふうに感じている現場のみなさん、私も最初はそうでした。

制度改定のたびに通知が来て、読もうとしたら専門用語だらけで途中で諦める……。特養で10年働いてきた私・室岡も、何度そのループを繰り返したかわかりません。

でも今回の話は、障害福祉で働く仲間にとってもかなり大きなニュースです。もし自分が障害福祉の事業所に転職を考えていたり、すでに兼務している方がいれば、なおさら知っておく価値があります。

室岡

この記事では「障害福祉の処遇改善加算が最大45.6%になる」というニュースを、できるだけわかりやすく、現場目線でかみ砕いてお伝えします。難しい話をざっくり伝えるのがこのブログの使命ですから、どうぞ最後までお付き合いください。

目次

そもそも「処遇改善加算」って何?おさらいしておこう

まず基本のおさらいから始めます。「処遇改善加算(しょぐうかいぜんかさん)」とは、介護や障害福祉の現場で働くスタッフの給料を上げるために、国が事業所に対して追加でお金を支払う仕組みのことです。

事業所がこの加算を取得して、そのお金をスタッフの給与に反映させることで、現場の人たちの賃金が底上げされます。つまり、事業所がちゃんと加算を取って、ちゃんと配分してくれれば、私たちの給料が上がるという仕組みです。

介護保険の世界では、すでに「介護職員処遇改善加算」「特定処遇改善加算」「ベースアップ等支援加算」の3つが統合・再編されてきた流れがありましたね。障害福祉の世界でも同じような動きが進んでいます。

室岡

要するに、「国が給料のタネをくれるから、会社がそれをちゃんと育ててスタッフに配ってね」という制度です。これがしっかり運用されるかどうかが、私たちの手取りに直結します!

今回のニュースの背景と概要:2026年度、何が変わるのか?

2026年4月からスタートする新年度において、国は障害福祉サービスの報酬改定(ほうしゅうかいてい=国が事業所に支払う報酬のルール変更)に関する通知を正式に出しました。

その中で大きく注目されているのが、訪問系サービスにおける処遇改善加算の上限が最大45.6%になったという点です。

「訪問系サービス」って具体的にどんなサービス?

ここで言う「訪問系サービス」とは、障害福祉の分野における以下のようなサービスを指します。

  • 居宅介護(きょたくかいご):障害のある人の自宅を訪問して、入浴・排泄・食事などの介護を行うサービス
  • 重度訪問介護(じゅうどほうもんかいご):重度の肢体不自由や知的・精神障害がある方に、長時間にわたって総合的な支援を行うサービス
  • 同行援護(どうこうえんご):視覚障害のある方が外出する際に、移動の支援や情報提供を行うサービス
  • 行動援護(こうどうえんご):知的障害や精神障害により行動が困難な方の外出支援や危険回避を行うサービス
室岡

特養で働いている私にはなじみが薄い分野ですが、障害福祉の現場ではこれらのサービスを提供する事業所がたくさんあります。そして、そこで働くスタッフも介護福祉士や初任者研修(ホームヘルパー)の資格を持った方が多いのです。

なぜ「最大45.6%」という数字が出てきたのか

この45.6%という数字は、処遇改善加算を算定(さんてい=加算を取得すること)した場合に、基本報酬(きほんほうしゅう=通常の報酬額)に対してどれくらい上乗せできるか、その上限割合を示しています。

たとえばわかりやすく言うと、仮に訪問系サービスの基本報酬が月100万円の事業所だった場合、最大で45.6万円分の加算を上乗せして受け取ることができる計算になります。そのお金がスタッフの給与改善に使われるわけです。

この45.6%という数字は、介護保険の訪問系サービス(訪問介護など)の加算率と比較しても遜色のない水準であり、「障害福祉の訪問系も、介護保険の訪問介護と同レベルで処遇改善を進める」という国の意思の表れとも言えます。

現場への具体的な影響:数字で見てみよう

「加算率45.6%」と言われても、実際に自分の給料がどう変わるかイメージしにくいですよね。ここでは、より具体的な数字のイメージを持てるようにお伝えします。

月給への影響シミュレーション

あくまで目安ですが、仮に以下の条件で考えてみます。

  • 訪問系障害福祉サービスの事業所で働くフルタイムのスタッフ
  • 事業所が処遇改善加算の最高区分を取得している
  • 基本給が月20万円のスタッフ

この場合、加算額が事業所の売上全体に対して計算されるため、スタッフ個人の給与に直接45.6%が乗るわけではありません。しかし、国の推計では障害福祉の訪問系スタッフの平均月額賃金が、改定前と比べて数千円〜1万円以上の改善が見込めるとされています。

2024年の介護労働実態調査によると、ホームヘルパー(訪問介護員)の平均月給は約25万円前後とされています。ここに処遇改善分が適切に配分されれば、年収ベースで12万円〜15万円程度の改善になる可能性があります。障害福祉の訪問系も、同様の水準での改善が期待されるわけです。

加算の「区分」によって金額が変わる

重要なのは、処遇改善加算には「区分(くぶん)」があるという点です。簡単に言うと、事業所がどれだけキャリアパス(職員の昇進・昇給の仕組み)を整備しているかによって、取得できる加算の段階が変わります。

今回の改定で示された訪問系の加算率は、以下のように段階があります(概算)。

加算区分加算率の目安
加算Ⅰ(最高区分)最大 45.6%
加算Ⅱ最大 37.0%前後
加算Ⅲ最大 27.0%前後
加算Ⅳ(最低区分)最大 15.0%前後

(※上記の数字は概算です。正確な数値は国の通知をご確認ください)

室岡

つまり、「うちの事業所が加算をちゃんと取っているかどうか」「どの区分を取っているか」が、実際の給料の差に直結するわけです。これは特養や訪問介護でも同じ構造ですよね。

「訪問系が最大」という背景にある現実

なぜ訪問系が特に高い加算率になっているのか。それには理由があります。

訪問系サービスは施設系サービスと比べて、1人で利用者宅に訪問する孤独な働き方や、移動時間のコスト不規則な勤務時間など、労働環境的に厳しい面が多い分野です。そのため、人材不足が特に深刻で、賃金を引き上げることで人材を確保・定着させる狙いが国にあります。

実際に、厚生労働省の調査では訪問系サービスの有効求人倍率(きゅうじんばいりつ=求人数÷求職者数)が15倍前後と、他のサービス類型と比べて突出して高い数値を示している時期もありました。求人15件に対して応募が1件しか来ないという、恐ろしい現実がそこにあります。

そうした背景があって、「訪問系は特に手厚く処遇改善を」という方針が今回の数字に反映されているわけです。

現場でよく出る疑問・注意点をQ&A形式で整理!

制度の話をすると、必ずこういう疑問が出てきます。私が現場で先輩や同僚に聞かれることをまとめてみました。

Q1:「加算が上がった=自動的に給料が上がる」ではないの?

A:残念ながら、自動的には上がりません。

加算はあくまでも事業所が受け取るお金です。そのお金をスタッフの給与に反映させる義務はありますが、「どのスタッフに、どれだけ配分するか」は事業所が決める部分があります。

ただし、加算を取得した事業所は「処遇改善計画書」や「処遇改善実績報告書」を提出する義務があり、きちんとスタッフの賃金改善に使われているか、行政がチェックする仕組みもあります。

もし「加算を取っているはずなのに給料が変わらない」という場合は、事業所の管理者や施設長に確認することをおすすめします。加算の配分状況は、スタッフも知る権利があります。

Q2:特養で働く私には関係ない話?

A:直接の関係は薄いですが、間接的には大いに関係があります。

今回の改定は「障害福祉サービス」の話なので、介護保険施設(特養・老健・グループホームなど)に直接適用されるものではありません。

ただし、障害福祉の訪問系の待遇が改善されると、「じゃあ特養よりも障害福祉の訪問系の方が稼げるんじゃないか」という流れが生まれる可能性があります。介護人材の取り合いがさらに激しくなるわけです。

逆に言えば、「障害福祉の処遇が上がるなら、介護保険側もさらに改善しなければ人が来なくなる」というプレッシャーが介護保険サービスの事業所にもかかります。長い目で見れば、業界全体の待遇改善につながる流れとも言えるでしょう。

Q3:自分の事業所が加算を取得しているか、どうやって確認する?

A:以下の方法で確認できます。

  1. 給与明細を確認する:処遇改善加算が給与に反映されている場合、「処遇改善手当」などの名目で記載されていることがあります。
  2. 事業所の管理者・施設長に直接聞く:「うちは処遇改善加算を取得していますか?何区分ですか?」と聞くのが一番確実です。聞きにくい場合は、ユニットリーダーや先輩に聞いてみましょう。
  3. WAM NET(ワムネット)や各都道府県のウェブサイトを確認する:障害福祉サービス事業所の情報は、WAM NET(独立行政法人福祉医療機構が運営する情報サイト)などで一部公開されています。

Q4:「区分Ⅰを取るために事業所が大変」って聞いたけど?

A:そうです。加算の高い区分を取るには、事業所側に一定の条件整備が必要です。

最高区分(区分Ⅰ)を取得するためには、主に以下のような要件を満たす必要があります。

  • キャリアパス(昇進・昇給の仕組み)の整備と文書化
  • 職員への賃金水準・昇給基準の明示
  • 資質向上のための計画的な研修の実施
  • スタッフへの周知徹底

小規模な事業所では、これらの書類整備や管理業務が重荷になることもあります。「加算は取りたいけど、事務作業が増えて大変」という声は特養の現場でもよく聞きます。それでも、取得することでスタッフへの還元が増えるメリットの方が大きいので、事業所には積極的に取り組んでほしいところです。

Q5:2026年4月からすぐに変わるの?

A:制度としては2026年4月から適用されますが、実際の給与反映のタイミングは事業所によって異なります。

加算の申請や計画書の提出、実際の給与改定の反映まで、事務的な手続きに時間がかかることもあります。「4月になったのにまだ変わっていない」という場合は、事業所に確認してみましょう。最大でも数ヶ月以内には反映されるケースがほとんどです。

介護士から見た「障害福祉の処遇改善」の意味

私は特養で10年働いてきて、処遇改善加算が少しずつ充実していく過程を肌で感じてきました。10年前に比べれば、確実に給料の底は上がっています。それは国が「介護・福祉の仕事をちゃんと評価しなければいけない」という方向に動いてきたからです。

障害福祉の処遇改善も、同じ流れの中にあります。介護保険と障害福祉は制度が違っても、「人の生活を支える仕事の価値」は同じはずです。だからこそ、どちらの分野で働く人も、こういった制度改定の動きをしっかりウォッチしておく必要があります。

「制度のことは事務方が考えること」と思っていませんか?でも、自分の給料がいくらになるかは、まさにこの制度改定に直結しています。知っているかどうかで、数万円・数十万円の差が生まれることもあるのが処遇改善加算の世界です。

室岡

特養の10年目の私が声を大にして言いたいのは、「制度を知ることは自分を守ること」だということです。難しそうに見えても、要点を押さえれば理解できます。そのためにこのブログがあります。

まとめ:今回のポイントを3行で復習しよう

最後に今回の内容を3つのポイントに絞って整理します。

  1. 2026年4月から、障害福祉の訪問系サービスに最大45.6%の処遇改善加算が適用される。これは訪問介護員など、障害のある人の生活を支える仕事の賃金底上げを目的とした国の施策です。
  2. 加算が上がっても、事業所がきちんと配分しなければスタッフには届かない。「うちの事業所は何区分の加算を取っているか」を確認することが大切です。
  3. 特養など介護保険系の施設に働く私たちにも、間接的に影響がある。障害福祉の待遇改善は、介護人材の流動につながり、業界全体の処遇改善の呼び水になります。

制度が変わるたびに「また難しい話か…」と思わずに、自分の給料・働き方に直結する話として受け取ってほしいなと思います。私も毎回そうやって向き合ってきました。

一緒に、この仕事を続けていける環境を作っていきましょう。


知って、トクしよう。


出典・参考情報

・介護ニュースJoint「障害福祉報酬の改定、訪問系に最大45.6%の処遇改善加算 国が通知 新年度ルール全容判明」
URL:https://news.google.com/rss/articles/…

・厚生労働省「障害福祉サービス等報酬改定について」(2026年度改定通知)
URL:https://www.mhlw.go.jp/

・WAM NET(ワムネット/独立行政法人福祉医療機構)
URL:https://www.wam.go.jp/

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