「また報酬改定の話?結局、自分たちの給料には関係ないんじゃないの…」
そう思っているあなたの気持ち、めちゃくちゃわかります。私も特養で10年働いてきて、「制度が変わる」って聞くたびに期待と不安が入り混じる感覚、何度も経験してきました。
でも今回は少し違います。厚生労働省が「介護職の賃上げがちゃんと進んでいるか」を直接調査すると動き出したんです。
室岡これ、現場で働く私たちにとってかなり重要なニュースです。
難しい話を「ざっくりわかりやすく」伝えるのがこのブログの使命。今日は一緒にこのニュースを読み解いていきましょう。
- 厚労省が2026年夏に介護職の賃金実態調査を実施する
- その結果をもとに2026年秋以降、2027年度報酬改定の議論が本格化
- 現在の介護職員(常勤)の平均給与は約33万8,000円(令和6年度調査)
- 今できることは施設の処遇改善加算の取得状況を確認すること






そもそもどんな話なの?背景と概要をざっくり整理


まず、今回のニュースを一言でまとめると——
「厚生労働省が2026年夏に介護職の賃金実態を調査して、その結果をもとに2027年度の介護報酬改定(=介護サービスの公定価格を見直すこと)の議論を秋以降に本格化させる」という話です。
少し背景を説明しますね。
日本の介護業界では長年、「人手不足」と「低賃金」という2つの大きな問題が叫ばれてきました。国もこれを認識していて、過去の報酬改定でも「処遇改善加算(=介護職員の給料を上げるために事業者に上乗せして支払われるお金)」という仕組みを使って、賃金を引き上げようとしてきました。



直近では2024年度の介護報酬改定でも処遇改善が強化されましたし、2024年6月には介護職員の月給を平均で約6,000円引き上げることを目標にした賃上げ対応も実施されました。
でも、「そのお金、ちゃんと現場の職員に届いているの?」という疑問は常にあります。事業者によって賃金への反映のされ方がバラバラだったり、加算をとっていない施設があったりするのが現実です。
2026年の夏(おそらく7月〜8月ごろ)に、介護事業所や介護職員を対象にした賃金実態の調査を実施。その結果をふまえて、2027年度の介護報酬改定に向けた議論を2026年秋以降に本格化させる——という流れが予定されています。



つまり今、私たちは「次の報酬改定に向けた大事な入口」に立っているわけです。
現場への具体的な影響は?数字で考えてみよう


「でも実際、自分の給料にどう影響するの?」というのが一番気になるところですよね。
ここからは、少し具体的な数字を交えながら考えてみます。
現状の介護職の賃金、どのくらい?
厚労省の「令和4年度介護従事者処遇状況等調査」によると、介護職員(常勤)の月給の平均は約32万円前後(処遇改善加算込み)とされています。
一方で、全産業の平均賃金と比べると介護職はまだ月に約5〜7万円程度低いという調査結果もあります(厚労省・令和5年賃金構造基本統計調査より)。



この「賃金差」を少しずつ縮めていくために、国は処遇改善加算の拡充を続けているわけですが、現場の実感としては「まだまだ足りない」という声が多いのが正直なところです。
今夏の調査で何がわかる?
今回の調査では、主に以下のような内容が調べられると予想されます。
- 2024年度の処遇改善加算が、実際に職員の給与にどれだけ反映されたか
- 事業所ごとの賃金の分布や格差
- 職種別(介護職員・看護職員・相談員など)の賃金状況
- 非常勤・パートを含めた雇用形態別の実態
この調査結果が、2027年度の報酬改定における「加算の金額をどう設定するか」「どんな条件を満たした施設に多く配分するか」という議論の根拠データになります。
もし報酬改定でさらに賃上げが実現したら?
仮に2027年度の改定で介護職員の月給がさらに5,000円〜10,000円アップするような改定が実現した場合、年収に換算すると6万円〜12万円の増加になります。



この仕事を続けてきて感じるのは、「1万円の差が生活の余裕や仕事へのモチベーションに直結する」ということ。これは決して小さな話じゃないです。
もちろん、報酬改定の結果がどうなるかはまだわかりません。でも、今回の調査がしっかり実施されて、現場の実態が正確に反映されることが、賃上げ実現への第一歩になります。
現場からよくある疑問・注意点をまとめました


同僚や後輩からよく聞かれる疑問に、私なりに答えてみます。
Q. 調査って、私たち職員に何か聞いてくる?
職員個人に直接連絡が来るケースは基本的にありません。ただし、施設によっては職員向けのアンケートを経由して情報を収集することもあります。
もし施設側から「調査票に協力してほしい」と言われたら、正直に回答することが大切です。実態とかけ離れたデータが上がると、改定の議論にも影響します。
Q. 処遇改善加算って、うちの施設はちゃんととってる?
これ、意外と把握していない職員さんが多いポイントです。処遇改善加算にはいくつかの区分(段階)があり、施設によって取得状況が異なります。
確認方法としては——
- 給与明細を見て「処遇改善手当」などの項目があるか確認する
- 直属の上司や施設長に「うちは処遇改善加算をとっていますか?」と聞いてみる
- 各都道府県の介護保険事業者台帳(公開されています)で調べる
「もらえるはずのお金がもらえていない」状況は避けたいですよね。まず自分の施設の状況を把握することが大事です。
Q. 2027年度改定まで、あと何年もあるじゃないですか…
「先の話すぎて実感わかない」という気持ちはわかります。
でも、介護報酬改定は3年に1度しかないんです。次のチャンスを逃すと、また3年待つことになります。だからこそ、今夏の調査がどれだけ重要か、わかっていただけると思います。
また、報酬改定と並行して、政府は「賃上げ促進税制(=職員の給料を上げた企業の税金を安くする仕組み)」の介護分野への活用なども検討しています。2027年を待たなくても、何らかの動きが出てくる可能性もゼロじゃありません。アンテナを張っておくことが大事です。
Q. 賃上げが実現しても、施設が倒産したら意味ない?
報酬改定は「職員への還元」と「事業所の経営安定」の両立が必要で、そのバランスをどう取るかが毎回難しい議論になります。単純に「加算を増やせばいい」というわけでもなく、利用者が払う介護保険料にも影響するため、複雑な調整が必要です。
だからこそ、今夏の実態調査が「現場の正直な声を届ける場」になることが重要なんです。
まとめ:小さなニュースが、給料に直結する話だった


今回の話を整理すると——
- 厚労省が2026年夏に介護職の賃金実態調査を実施する
- その結果をもとに2026年秋以降、2027年度報酬改定の議論が本格化する
- この改定で処遇改善がさらに強化されれば、年収で数万円〜10万円以上の賃上げにつながる可能性がある
- 今の段階でできることは「自分の施設の処遇改善の取得状況を把握すること」と「情報をアップデートし続けること」



特養の現場にいると「制度が変わっても自分には関係ない」と思いがちになる瞬間が何度もありました。でも、こういう小さなニュースの積み重ねが、3年後の給与明細を変えるんです。
難しい話を「ざっくり理解して、自分の生活に活かす」——それがこのブログの目指すところです。
これからも一緒に、現場に役立つ情報をキャッチしていきましょう。
知って、トクしよう。
📎 出典・参考URL
- 介護ニュースJoint「介護職の賃上げ調査を今夏実施 厚労省 27年度報酬改定の議論、秋以降に本格化へ」
https://www.joint-kaigo.com/ - 厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/153-1.html - 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html











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